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ルターによる日々のみことば

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2019/6/15 (土) のみことば

愛ゆえの愛

わたしたちが愛し合うのは、神がまずわたしたちを愛して下さったからである。 第一ヨハネ4・19

 熱と煙のないところには火がないように、愛のないところには信仰はありません。それは信仰によって神がどれほどまでに自分を愛しておられるかを知った人は、神に対して燃える愛の心を持ち、その心はじっとしていることができないからです。その心からは、感謝の愛がおしみなく現われ出ざるをえないのですか。

 しかし、神はわたしたちの働きを必要としておられません。また、神に感謝し、神をたたえる以外に神にむかってなにかをするように命じておられません。それで、キリスト者はまごころから隣人のために身をささげ、惜しみなく相談にのってあげながら、助けたり、奉仕をしたりします。それは、神がその恵みを全くのあわれみから惜しみなく示してくださったことを知っているからです。しかも、彼はなんの価値もなく、なおも罪の中にあった時にすら、いや、彼が神の敵であり、神について全く無関心であった時にすら、恵みを示してくださったのでした。そこで今や、彼が隣人のあやまちや罪の中にいるのを見る時、その人に正しい道を示してあげざるをえないのです。そして、自分が以前に慰めや助けを見いだしたところに、その人を導いてゆくのです。彼は福音を宣べ伝え、罪のゆるしにその人を導きます。さらにまた、はだかでいるならば着せ、飢えているならば食べさせ、かわいているならば飲ませます。要約すれば、自分にしてほしいことを、隣人にもするのです。なにか隣人のためにできる方法があれば、頼まれる前に心から喜んでそれをするのです。

1527年の説教から


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