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ルターによる日々のみことば

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2020/2/7 (金) のみことば

被造物の中の十字架

実に、被造物全体が、今に至るまで、共にうめき共に産みの苦しみを続けていることを、わたしたちは知っている。 ローマ8・22

 光り輝く太陽も、最も美しい被造物も、聖徒たちにはほんの少ししか役立っておりません。太陽がひとりの聖徒を照らそうとすれば、同時に、何千何万というごろつきどもを照らさなければなりません。彼らの不信心や、悪の数々にもかかわらず、光を与えてやらねばならず、このようにして、太陽の最善、最良の奉仕が、最も無価値で、邪悪で、ぐうたらな、ならず者たちに与えられねばならないのです。

 太陽は、主なる神の恵みのうちに造られたもので、信心深い人たちに、もっともっと奉仕したいでしょう。しかし、この高貴な被造物が、こころならずも、悪の世に仕え、それを忍ばねばならないのです。しかし、やがてその奉仕にも終わりが来ることを望みながら、このようにさだめられた神に従ってそれを続けているわけであって、それはこの奉仕を通じて、(キリストがマタイ5:45でおっしゃっているように)「悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせる」恵み深い父なる神があることを示したいためです。このために、高貴な太陽は高慢な人々に奉仕し、むなしくも、良い奉仕を与え続けているのです。しかし、時がくれば、主なる神は、高貴な太陽はじめ他の被造物を乱用した人たちを捜し出し、被造物に豊かにむくいてくださるでしょう。このようにしてパウロは被造物全体の中での聖なる十字架を示しました。天も地もあらゆる被造物が、わたしたちとともに苦しみ、貴重なしたわしい十字架を負っているのです。それゆえ、わたしたちが悪の世の日々に、倒れた時も、悲しげに嘆き泣くのでなく、からだのあがなわれる日と、わたしたちにあらわされる栄光を忍耐強く待たなければなりません。産みの苦しみにある女のように、被造物全体がうめきをもって激しく待ち望み、ためいきのうちに神の子のあわれる日を待っていることを思う時、わたしたちはますますそうしなければなりません。その時、被造物全体もあがなわれるのです。

1535年の説教から


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