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ルターによる日々のみことば

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2020/4/8 (水) のみことば

主は神に捨てられた

わたしは虫であって、人ではない。人にそしられ、民に侮られる。 詩篇22・6

 パウロもこの真理について述べております(ピリピ2章)。キリストは神のかたちであられたが、ご自身をむなしくされたと言っております。それは、主が神の力を用いられず、全能の力にも目を向けず、苦しみの間、かたわらにおいておかれたということです。このけんそんに、身を低くして、むなしくなっておられる間、悪魔はよみの全力を尽くして主を誘惑しました。唯一の人、人の子はその攻撃の前に立ち、世の罪を負われております。しかも主は神の慰めと力によって支えられておりませんでしたから、悪魔は無実の小羊に噛みつき、食い尽くそうとしました。それゆえ、唯一の正しい罪のないかたが、あわれでみじめな罪人のようにおののきふるえ、やさしい罪のない心に罪に対する神の怒りとさばきのはげしさを感じられたのです。そして、わたしたちに代わって、永遠の死とさばきを味わわれました。ひと言でいえば、罪に定められた罪人が永遠に受けるに値するすべての刑罰とむくいを、主が受けなければならなかったのです。

 それにより、わたしたちのために、天国の祝福と、永遠のいのちと、救いとを獲得してくださいました。イザヤは53章に、「彼は自分の魂の苦しみにより満足する」と言っております。主のからだと魂ははげしく苦しみました。しかし、それはわたしたちに限りないさいわいを与えるために、ご自分の大きな喜びとして受けてくださったのです。それは主が敵に打ち勝ち、勝利を獲得し、その知識によって、多くの人を義としてくださったからです。

1537年の説教から


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