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ルターによる日々のみことば

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2020/9/10 (木) のみことば

神がそなえ、人が取る

よろずのものの目はあなたを待ち望んでいます。あなたは時にしたがって彼らに食物を与えられます。 詩篇145・15

 ここで注目したいことは、どの獣も食物のために働きませんが、しかしそれぞれが独自の務めをもち、それにしたがって食物を捜し求め、見いだすことです。鳥は歌い、飛び、巣をつくり、若鳥を育てます。それが鳥の仕事です。しかしその仕事が、鳥に食物を与えるのではありません。牛は耕し、馬は荷を負い、戦場にでかけます。羊は毛を産出します。それが彼らの仕事です。しかしそれによって彼らは生きているのではありません。地が草を育てさせ、神の祝福により彼らに食物を与えているのです。

 同じように人間も働かねばなりません。しかし、彼は自分に食物を与えてくれるのが彼の仕事ではなく、もうひとりのかたであることを知らねばなりません。彼に食物を与えるのは彼の仕事のように見えますが、実際は神の祝福であります。神は働かない者にはなにも与えられないから、そう見えるのです。まくことも刈ることもしない鳥も、食物を捜し求めなければうえによって死んでしまうのと同じです。しかし食物を見つけることができるのは、自分の働きによるのではなく、神のいつくしみなのです。鳥が見いだす食物を備えてくださったかたは神のみだからです。神が備えてくださらなければ、全世界が捜し求め、死ぬまで働いても見いだすことはできません。この事実をわたしたちはわたしたちの目で見、わたしたちの手でふれます。しかもわたしたちは信じません。また、神が助け主であり守り主でなければ、たとえ一万の鍵でしまっておいてもなにものも安全ではありえません。風に吹き去られて、だれもその行方を知らないでしょう。

詩篇127篇の講解


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